未踏事業への提案が不採用になったので資料を公開します

2019/06/04 08:15

2019年度未踏IT人材発掘・育成事業の2次審査の結果が今日届きました。 残念ながら不採用通知が届いてしまいました...

PMのコメントをまとめると要するに新規性が不足していたとのことです。 自分もそう思います(笑)

自分は21歳なのであと4回挑戦できますが、今の所ネタが思いつかないので、 来年も応募するかどうかはわかりません。 今回は一人で応募したので、チームで応募してみるのも良いかも知れませんね。 (新規性に苦しんだので、ぜひアイデアマンのアイデアにあやかりたい...)

初めて誰の力も借りずに書いた提案書が通過したことは良い経験になりました。

いわゆる有名な業界人の前でプレゼンをしたのも初めてでしたが、 事前に飲酒していたことが功を奏してあまり緊張しませんでした。 プレゼンのコツが少しわかったような気がします。

誰の力も借りずにと書きましたが、実際はネット上に転がっていた過去の資料を参考にしたので、

未踏事業に出した提案が不採択となったので資料を公開します

オープンソースの精神にのっとり(?)ここに自分の提案書を公開します。

P2Pネットワークの研究を今もライフワークとしているので、来年以降近い分野で未踏に応募しようとしている人がいればぜひ誘って下さい! VRにも興味あります!

提案書

1.何を作るか

・目的  

 スマートコントラクトとはブロックチェーン上での取引を、スマートコントラクト言語で書かれたプログラムによって自動化する技術のことである。スマートコントラクトを応用することによってブロックチェーン上で自律動作するシステムを構築したり、従来のソフトウェアにブロックチェーンの持つ特徴、機能を取り込むことができる。このようなスマートコントラクトを利用したアプリケーションのことをDApp(Decentralized Application)と呼ぶ。

 本プロジェクトでは、持続可能なスマートコントラクト実行プラットフォームを開発する。現行のスマートコントラクト機能を持つブロックチェーンにはいくつか持続可能性に疑問符がつく部分が存在する。例えば、スマートフォン上でDappを実行する場合、現行のシステムだと、スマートフォンから直接スマートコントラクトを利用することが出来ないため、代理実行してくれるサーバを経由する必要がある。このサーバを提供するのは、特定の企業などであり、その企業がサービスを終了した時点で、スマートフォンから、そのDappは利用できなくなる。これでは分散的であるとは全く言えない。他にも現行のブロックチェーンにはストレージの問題、ノード運営者へのインセンティブ設計の問題などシステムの持続可能性を妨げる様々な問題が考えられる。

このスマートコントラクト実行プラットフォームは少なくとも以下の要件を実現する。

・ブロックチェーンネットワーク上ではあらゆる形態のノードが対等に振る舞う ・スマートコントラクトの実行を可能としつつ、トランザクションのデータサイズを最小に保つ ・効率的なスマートコントラクトの検証方法の採用 ・従来のマイニングに加えマイニングによらないインセンティブを用意する

これらの要件によって、持続可能なスマートコントラクト実行プラットフォームを実現する。

問題提起

 私は現在のスマートコントラクト機能をもったブロックチェーンには4つの大きな問題があると考えている。  

1.P2Pの実装

 現在、スマートフォンでDappを実行しようとする場合、スマートフォンを直接、ブロックチェーンに繋げてスマートコントラクトを実行することが出来ず、代わりにブロックチェーンに接続されたサーバにトランザクションを代行してもらう仕組みになっている。これでは、トラストレスな取引と言えるか微妙なところである。これは、現行のスマートコントラクト実行プラットフォームのP2Pネットワークの実装がスマートフォンなどのデバイスを考慮していないのが原因である。

2.ストレージの逼迫

 ブロックチェーンは、初期状態から最新の状態を導出するために、状態を遷移させるためのトランザクションをすべてストレージに保存する必要がある。単なるトークンの取引を行うトランザクションと違い、スマートコントラクトに関するトランザクションはスマートコントラクトの実行コードなどをトランザクションに含める必要があるため、トランザクションのデータサイズが大きくなる。そのため、スマートコントラクト機能を持つブロックチェーンでは、ブロックチェーンのデータサイズが爆発的に大きくなる。

 現時点で最も利用者の多いスマートコントラクト実行プラットフォームであるイーサリアムのブロックチェーンのデータサイズはすでに100GBを超えており、個人がイーサリアムのフルノードを運用するのはすでに困難になっている。

3.スマートコントラクトの検証

 現行のスマートコントラクトはその実行コードをブロックチェーン上で共有し、トランザクションにスマートコントラクトの呼び出し命令を添付し、ブロックチェーンに参加しているすべてのノードが実行コードとトランザクションに添付されたスマートコントラクトの実行命令からスマートコントラクトの最新の状態を導出している。この方法だと、すべてのノードがすべてのスマートコントラクトを検証する必要があるため、スマートコントラクトはできるだけコンピュータの計算資源を使わないような内容であることが望ましく、トランザクション自体の取引手数料とは別に計算量に応じてガスなどと呼ばれる手数料を徴収される仕組みになっている。

 スマートコントラクトを用いるアプリケーションであるDappを作る場合、常に計算量に対する手数料であるガスを常に意識する必要があり、実用上、大きな問題となっている。

4.ノード運営のモチベーション

 従来のブロックチェーンでインセンティブを得る手段がマイニングに偏っており、マイニングを目的としないノードの運営者はボランティアに依っていた。ボランティアに依らない安定的な量のノード運営者が存在することが、安定的なP2Pネットワークを目指すためには望ましい。

 意欲的なノードの運営者を集めるためには、運営者への負担の大きいマイニングによらない別のインセンティブ設計が必要となる。

 本プロジェクトでは持続可能で本当の意味で分散した、スマートコントラクトのプラットフォームを実現するためにこの4つの問題を解決する。 

問題解決

 前出の問題に対する本プロジェクトの答えを次に示す。

1.P2Pの実装

 従来のブロックチェーンではスマートフォンなどのNAT環境下に存在するP2P接続を行うことが比較的、難しい端末がブロックチェーンネットワークに接続することを考慮されていなかった。

 本プロジェクトのP2Pネットワークへのノードの接続手順に関するイメージ図を以下に示す。

 本プロジェクトでは、ノード間の通信方法にWebRTCを採用した。その理由は、スマートフォンやRaspberryPiといったデバイスでもデバイス間のP2P接続が可能であり、異なる種類のOS、アーキテクチャのデバイス間でもP2P接続の互換性があり、なおかつNAT越えの仕組みをWebRTC自身提供しているため、モバイルネットワークや家庭用Wifi環境下などのNAT環境下でもP2P通信が可能であるからである。

 WebRTCではP2P接続を確立するためにシグナリングという作業が必要になるが、本ブロックチェーンのP2Pネットワーク自体がシグナリングサーバとして機能するように設計することでシグナリングに対応する。

 スマートフォンなどを含むすべてのノードがWebRTCという統一された規格で通信するので、すべてのノードが同一のブロックチェーン上に存在し、すべてのノードが対等に振る舞う。

2.ストレージの逼迫

 本プロジェクトのブロックチェーンは3つのレイヤに分かれている

それぞれのレイヤについて説明する。

レイヤ0はP2Pネットワークの層である。ノード群はKademliaによって構造化される。

レイヤ1はブロックチェーンの層である。本プロジェクトでは、ブロックチェーンのデータサイズを小さくするために、トランザクションの大きさを極限まで小さくする。一般的なトランザクションの最低構成要件を次に示す。

送金者の公開鍵 : publicKey 送金者の署名 : sign 受取側のアドレス : address 送金量 : balance 自由格納領域 : data

 一般的にはこれに、タイムスタンプや手数料の情報、スマートコントラクトの情報等が加えられる。このうち特に、容量を占めるのがスマートコントラクトの情報である。スマートコントラクトの情報は、一般的にトランザクションの自由格納領域に格納される(以後data領域と呼ぶ)。本プロジェクトでは、このdata領域に含まれるデータにハッシュ関数をかけ、データの実体をvalue、ハッシュ値をkeyとしてレイヤ0のKademliaネットワーク上に保管する。data領域にはデータのハッシュ値を保管する。これにより、どんなに複雑なスマートコントラクトの実行コードをトランザクションに含めても、トランザクションのデータサイズは常に一定になる。よって、トランザクションのデータサイズを大きく削減し、ストレージの逼迫を大きく緩和する。

レイヤ2はサイドチェーンの層である。ビットコインの1秒あたりに処理できるトランザクションの数をTPSという。BitcoinのTPSは8である。一方クレジットカードのTPSは2000である。現在、イーサリアムでは、TPSを上げるための方法として、オフチェーンで疑似的なブロックチェーン(サイドチェーン)を構築し、サイドチェーンのトランザクションをまとめて、その概要(ハッシュ値)をブロックチェーン(ルートチェーン)に保存する手法を検討されている。本プロジェクトでもその方法で、TPSのスケールを行おうと考えている。

3.スマートコントラクトの検証

 現状のスマートコントラクトはすべてのユーザ(ノード)がすべてのスマートコントラクトを実行し、最終的にすべてのスマートコントラクトの状態をワールドステートとしてすべてのノードのメモリ上に保持している。しかし、一般のユーザの関心があるのは自分の利用するスマートコントラクトのみである。そこで本プロジェクトでは、ブロックチェーン全体として、スマートコントラクトの状態を持つのではなく、あるスマートコントラクトの利用者のみが、そのスマートコントラクトの状態を管理する。スマートコントラクトの利用者は、自分の利用しているスマートコントラクトの情報が含まれているトランザクションを監視し、そのトランザクションのdata領域の実体からスマートコントラクトの最新の状態を導出するようにする。

 考えられる不正として、不正なスマートコントラクトの状態遷移命令が考えられるが、これに対しては、スマートコントラクトの利用者がそれまでのスマートコントラクトの状態からその状態遷移命令に矛盾がないかを検証し、もし矛盾が生じる場合はその命令を無視するようにすることで対処する。

 特定のスマートコントラクトの利用者のみがそのスマートコントラクトを検証することによって、利用者間の合意次第で、どんな計算量のスマートコントラクトであれ、計算量にかかる手数料の制限なしに実行できるようになる。(スマートコントラクトを実行する際のトランザクション自体に対する手数料は必要)。これによってスマートコントラクトの検証に関する問題を解決する。

4.ノード運営のモチベーション

 本プロジェクトのブロックチェーンでは、スマートコントラクトに関するデータはKademliaネットワークであるレイヤ0に隔離されている。スマートコントラクトの利用者(要求者)がスマートコントラクトを実行する際には、スマートコントラクトに関するデータをKademliaネットワークから取り出す必要がある。その際、トランザクションに記されたスマートコントラクトに関するデータのハッシュ値をもとにKademliaネットワーク上でデータの所有者(回答者)を探索し、最終的にデータを受け取る。その際にデータが元のハッシュ値と対応しているかを第三者(検証者)に検証してもらい、結果が正しければ、要求者が回答者に少額の手数料を支払うことで、プラットフォームに新たなインセンティブを導入する。

 この方法だと、スマートコントラクトがデプロイされる際に、スマートコントラクトのデータがネットワーク上のいずれかのノード上に保存されるので、ノードは単にブロックチェーンのネットワークに接続しているだけで、スマートコントラクトが実行される際にノード自身の持つスマートコントラクトのデータを要求者に返すだけでインセンティブが手に入る。この作業は、マイニングのような膨大な計算力を要求されるわけではなく、単純に少しのストレージを消費するだけなので、スマートフォンやノートパソコンといった計算力が非力なデバイスでもインセンティブを得られるようになり、それらのデバイスをノードとして運営するモチベーションを得られるようになる。

ブロックチェーンの仕様

 本ブロックチェーンの採用する基本的な仕様について以下に示す。

項目手法
トークンモデルデュアルトークンモデル
コンセンサスアルゴリズムVBFT
発行量上限貨幣トークン:有限、ガス:無限
ブロック生成間隔150秒
スマートコントラクト言語JavaScript

それぞれの意図について説明する。

・トークンモデル

 本システムにおいて貨幣価値を創出するための単なるトークンとトランザクションを実行する際に手数料として使用されるトークンの2種類のトークンを用意する。以後前者は貨幣トークン、後者をガスと呼ぶ。

 貨幣トークンは一定の交換率でガスと交換できることとする。(貨幣価値としては常に貨幣トークン>ガスになるようにする。)

 2種類のトークンを用意することで貨幣トークンは価値の変動が小さく、手数料として使用されるガスはその価値が、ブロックチェーンネットワークのトランザクションの混雑度に合わせてフレキシブルに変動することが期待できる

 前述の新しいインセンティブモデルで支払われる手数料はまさしくガスにあたる。

・コンセンサスアルゴリズム

 本システムにはVBFT(VerifiableRandomFunction)(POSで重み付けをした上で確定的なランダム選択)をコンセンサスアルゴリズムに採用する。VBFTを採用した意図は、ビットコインに用いられるProofOfWorkは最も安全性が高いと考えられるが、計算資源の無駄遣いという面があり、一方でイーサリアムが将来的に採用することを計画している、ProofOfStakeは富の集中やブロックチェーン自体の乗っ取りが比較的容易であることが懸念される。そこで、後発のコンセンサスアルゴリズムであり、POSの懸念を考慮したVBFTを採用する。

また、VBFTの報酬は貨幣トークンが支払われることとする。VBFTによる報酬とは別に、ガスの保有者に対しては、毎ブロックごとにガスの保有量に応じて新たにガスを付与することで、スマートコントラクト等の利用を促進する。

・発行量上限

 発行量上限に関しては、貨幣トークンに関してはビットコインの考え方に従い、発行量上限を設ける。ガスに関しては、トランザクション毎に手数料として消滅するので、発行量上限は設けない。

・ブロック生成間隔

 ブロック生成間隔は、長すぎると利便性に欠け、短すぎるとブロックチェーンのフォークが頻繁に発生する。そこで、ブロックチェーンの頻繁なフォークを考慮せず、なおかつある程度ブロック生成間隔の短いブロック生成間隔時間として、ライトコインのブロック生成間隔時間を参考にする。

・スマートコントラクト言語

 スマートコントラクトを記述するためのプログラム言語に関しては、イーサリアムのように独自の言語を採用するのではなく、既存の言語を用いることで、開発者の参入を容易にする。そのため、スマートコントラクト言語にはJavaScriptを用いる。実装方法として、JavaScriptのeval機能を用いる方法を考えている。ただし、単純にevalを利用するとセキュリティ上、問題があるので、予めホワイトリスト形式で利用できる機能を制限し、JavaScriptのコードをAST解析して、許可していない機能が利用されていれば実行を拒否する仕組みを取る。

2.どんな出し方を考えているか

 本システムでは、エンジニアや上級ユーザ向けのCLIで動作するNode.js製のノードと一般のユーザが手軽に使えるブラウザやWebView上で動作するReact.js製のウォレットタイプのノードの2種類のフルノード(全機能を備えたノード)を開発することを計画している。 本プロジェクトを用いたDappを簡単に作れるようにライブラリを提供する予定である。ライブラリはTypesScriptで作成し、Node.jsとブラウザの両方から利用できるようにする。また、開発者への参考としてNode.jsとReact.js、Angular向けのサンプルも用意したい。

 P2Pネットワークを用いたシステムは、ノードの数が増えたときにどのような問題が発生するかをローカル環境や少数のデバイス間で行うテストだけで確認することには限界があるため、実際に一般のユーザと共に実証実験を行うことが必要であると考えている。そこで、本プロジェクトはオープンソースで開発を行い、ある段階で、テストネットという形で、一般のユーザが実証実験に参加できるようにしたい。テストネット中は、スマートコントラクトの開発者に対して、無制限にトークンを配給するとともに実際に本プロジェクトを利用した何らかのDappを用意したい。

 当然、最終目標として、メインネットを正式に稼働させ、いずれかの仮想通貨取引所への上場を目指したいが日本国内の法規制に従うため、相談しながら計画を進めたい。

3.斬新さの主張、期待される効果など

 本プロジェクトの斬新な点を次に示す。

・特定のノード(サーバ)に依存せずDappsを利用できる

 現状のDappは利用者がDapp作成者などが用意したブロックチェーンネットワークに接続された代理実行用のサーバを経由するパターンが多い。これは結局のところ、従来のサーバクライアント方式のようにクライアントが特定のサーバ(単一障害点とも言える)に接続しているのと同じで分散しているとは全く言えない。本プロジェクトでは、スマートフォンなど従来のブロックチェーンでは直接利用することのできなかったデバイスでも直接、取引やスマートコントラクトの実行を可能とする。それによって、代理実行用のサーバを建てることなく、誰でも手軽にDappを作ることもできるし、使うこともできるようになる。

・ブロックチェーンの軽量化

 トランザクションのサイズを小さくするために、トランザクションの拡張領域を別の保存領域へのアドレスを記載することのみに用途を制限した。これによってどんなに複雑なスマートコントラクトを実行しても、トランザクションのサイズは常に一定となる。

・スマートコントラクト検証の簡略化

 既存のスマートコントラクトはすべてのノードがすべてのコントラクトの検証を行い、すべてのコントラクトの最新状態をすべてのノードがワールドステートとして保持している。 そのため、計算量に対して手数料が発生する設計となっているが、本プロジェクトでは、スマートコントラクトの検証を全ノードが行うのではなく、そのコントラクトの利用者のみが行うことによって、コントラクトの利用者間の合意次第で、実行手数料に縛られない新しい発想を持ったスマートコントラクトを実現できるだろう。

・新しいインセンティブ設計

 計算力やネットワーク環境で、デスクトップパソコンに劣るスマートフォンやIoT機器などといった非力な端末をブロックチェーンのノードとして運用するメリットが既存のブロックチェーンには非常に小さい(若しくは存在しない)しかし、本プロジェクトには、非力なノードにも可能であり、なおかつ必要不可欠なインセンティブを得られる仕事が存在する。それは、トランザクションに含まれる、拡張領域のアドレスに対応するデータを保管し、そのデータへの参照に答えることである。この仕事に対してインセンティブを与えることで、非力な端末を直接ブロックチェーンに繋ぎ、ノードとして運用するモチベーションを与える。  

 ブロックチェーン上で取引をしたりスマートコントラクトを利用する際にはトランザクションに対する手数料が必ず必要になる。そのため、ブロックチェーンやスマートコントラクトの利用には、トークンの入手が必要である。現状のブロックチェーンでトークンを入手する方法は、マイニングを行うか、仮想通貨取引所から購入するかのおおむね2つの選択肢に制限されている。しかしこれでは、手軽にブロックチェーンやスマートコントラクト、Dappといったものを利用することができない。しかし、本プロジェクトでは、一般のユーザはノードを起動しているだけで、トークンの入手が可能となり、手軽にブロックチェーンやスマートコントラクト、Dappといったものを利用できるようになる。

4.具体的な進め方と予算

(1)開発を行う場所

自宅

(2)使用する計算機環境

Ubuntu 18.04, Windows 10, Android 9, Google Cloud Platform

(3)使用する言語、ツール

言語:Typescript、JavaScript

ライブラリ:WebRTC、自作ライブラリ(kad-rtc,webrtc4me,ts-blockchain)、React

(4)ソフトウェア開発に使う手法

・GitHub上でのバージョン管理(GitFlow)

・テストフレームワークを用いたテスト

(5)開発計画

①6月〜7月中旬

Kademliaネットワークの開発、評価

②7月中旬〜8月上旬

ブロックチェーンのプロトタイプ開発、評価

➂8月上旬〜8月下旬

Kademliaとブロックチェーンプロトタイプを結合

④8月下旬〜9月下旬

バグフィックス、テスト、ドッグフーディング

⑤9月下旬〜10月中旬

一般公開用ウォレット(フロントエンド)の開発

⑥10月中旬〜12月下旬

テストネットの一般公開

フィードバックを基に改善。バグフィクス

⑦1月上旬〜2月下旬

本プロジェクトを用いたDapp、ユースケースの作成

開発線表

6月7月8月9月10月11月12月1月2月
①②②③④④⑤⑤⑥

(6)開発に関わる時間帯と時間数

月曜日〜金曜日:1日4時間、18時から22時まで

土曜日〜日曜日:1日8時間、10時から18時まで 週36時間の開発を予定している。

2019 年 6 月 24 日(月)~2020 年 3 月 6 日(金)の平日は185日、休日は72日

(7)予算内訳

時給(円):1600

時間:1316

合計必要予算(円):2105600

5.提案者たちの腕前を証明できるもの

プログラミング言語

TypeScript、JavaScript、C#、Go、Kotlin、Java、C++、C、Ruby

論文

・分散型台帳技術を用いたモバイル決済のモデル開発

XX高専の卒業論文の概要である。電気学会関西支部、情報処理学会全国大会で学生発表を行った。

開発した、開発中のソフトウェア

本提案プロジェクトに関するプロトタイプを次に示す。

・Typescriptによるブロックチェーンの実装 

https://github.com/shinyoshiaki/blockchain-ts

 コンセンサスアルゴリズムにPOWを採用したブロックチェーンである。

 JavaScriptを用いたスマートコントラクトを実行できる。JavaScriptを用いたスマートコントラクトを実現するためにAST解析とevalを用いている。

 jestというテストフレームワークによるテストを行っている。/tests/contract/vm.test.ts にスマートコントラクトの簡単なサンプルがある。

・WebRTCによるKademliaの実装 

https://github.com/shinyoshiaki/kad-rtc

 TypeScriptによるWebRTCを用いたKademliaの実装である。

 ブラウザとNode.jsの両方で動作する。

 Kademliaの基本的な機能は実装されており、簡単な動作確認もできている。現在は、E2Eテストの自動化に取り組んでいる。

・上記のものを組み合わせたブロックチェーン 

https://github.com/shinyoshiaki/kad-blockchain

 前出の「Typescriptによるブロックチェーンの実装」自体には通信に関する処理を含めず、他の通信ライブラリと組み合わせて使用するような設計になっている。(通信関係を切り離すことでテストしやすくなっている。)そこでこのプロジェクトで前出の2つのライブラリを組み合わせたサンプルを開発した。一旦動作するレベルまで開発したが、現在は上記のライブラリの更新に追従できておらず、正常に動作しない。目下開発中である。

ハッカソンやイベント等で発表したソフトウェアについて次に示す

・P2P分散型SNS “D-Twi”

https://drive.google.com/open?id=139yIFy5GTYOYJO4ml9MYdnCe-k8m7CCm

 学生限定!WebRTCハッカソンにて作成した作品。結果として、企業賞を頂いた。

 WebRTCと分散ハッシュテーブル(Kademlia)を組み合わせたオーバレイネットワーク上で、ツイッター風のSNSサービスを動かした。

・サーバレス な マルチユーザVR システム 

https://drive.google.com/file/d/1m_7FC7_xSt5kid1Aea67nRomGq2gjKSc/view

https://kbkz.connpass.com/event/101398/presentation/

歌舞伎座.tech#15のLT枠で発表した作品である。

UnityとWebRTCで超低遅延マルチユーザオンラインVRシステムのモデル開発を行った。

・「時間差VRパズル」

https://drive.google.com/open?id=1MLLumHwMmCBbSMJcDNiimO8pVJGmakyH

 Any(UnityVR)ハッカソンで作成した作品。

 本作品はチームで開発した。システム部分を担当した。結果として優勝した。

記事

・Liskのトランザクションをソースコードから読み解く

http://block-chain.jp/blockchain/lisk-transaction/

関連リンク

GitHub:https://github.com/shinyoshiaki

ホームページ:https://shinyoshiaki.netlify.com/

語学

TOEIC705点を取得し、英語のドキュメントを基本的に理解できる。

アルバイト歴

<個人情報>

6. プロジェクト遂行にあたっての特記事項

特になし。

7.ソフトウェア作成以外の勉強、特技、生活、趣味など

特技:囲碁、中距離走

生活:親元を離れひとり暮らし。炊事、洗濯、掃除は得意。

趣味:映画鑑賞、旅行、VRゲーム

8.将来のソフトウェア技術について思うこと・期すること

 2020年ごろにはモバイルネットワークに5Gが導入され始めることになっている。5Gではスループットが光回線以上になるとともに、通信の遅延も大幅に小さくなる。これにより、大容量のデータをリアルタイムにやり取りできるようになると考えられる。機械学習の分野では、コンピュータの計算能力の向上に伴い、かつて既に理論は存在していたが、計算力不足が原因で実現できなかったことが、今ではできるようになってきている。応用ソフトウェアの分野でも5Gの普及によって今日の機械学習の分野のようなブレイクスルーが起きるものと私は考える。

 例えば、仮想現実の世界を考えてみる。現状、WebRTCなどの比較的低遅延な通信手段を用いても、一般的な家庭回線だと、0.1秒ほどの通信の遅延が生じる。この遅延は一見とても小さいように見えるが、例えば複数人で歌を歌おうものなら、すぐに違和感を感じる。しかし5Gによってこの遅延が0.02秒ほどになればどうだろうか?これなら現実だと7mほどの距離における音の遅延であるから、許容できる遅延といえるだろう。これに加えて、帯域幅が大きくなれば大容量な3Dモデルなどをリアルタイムにやり取りすることも不可能でないだろう。VRヘッドセット自体の解像度が上がり、人間の網膜が認識できないほどのリアルな映像とリアルタイムな音が合わさり、VRヘッドセット自体の小型化も進めば、仮想現実の世界はより身近なものとなるだろう。

 仮想現実の世界では当然、現実の紙幣や硬貨を直接、使うことは出来ない。そこでフィンテックの出番が出てくる。インターネットそのもの分散的なものであるし、仮想現実の世界もある主体が独占管理するのではなく、いくつかの主体が緩やかにつながる分散的なものになるだろうと私は考える。そこで求められてくるのは特定の主体を信用する必要がないトラストレスな取引手法ではないだろうか。その際に最も有力な解決手段としてブロックチェーンが挙げられるのではないだろうか。

プレゼン資料

https://drive.google.com/open?id=1cC-YV9PVnLmsHr9f9nhIYUh1_ZgLxnKa3FEDjLoBDEg